【解決】都庁公務員試験の論文攻略ポイントと対策7ステップ【型が大事】

都庁の論文試験はどう対策すればいいのかわからない。
論文試験を通過するためのポイントや具体的な対策方法が知りたい。

このような疑問にお答えします。

この記事を書く私は都庁職員歴7年。民間企業で働きながら、都庁採用試験に合格し都庁へ転職しました。

今回は、都庁採用試験の論文試験における攻略ポイントや対策方法を紹介していきます。

本記事の内容

  • 都庁採用試験の論文攻略ポイント
  • 論文試験の合格ライン
  • 論文試験の対策方法7ステップ

今回紹介する論文対策で、実際に私は採用試験に合格しました。

また、昇任試験でも、同様の対策で論文試験を突破しています。

都庁公務員試験の論文対策に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください!

目次

【結論】論文は型を身につけ、減点ポイントを抑えて攻略する

結論からいうと、論文試験は「型」を覚えることが最重要です。

なぜなら、論文試験は採点者が読みやすく、減点ポイントが少ないものを書ければ、合格点はクリアできるからです

具体的には、出題テーマを予想して3つ程度の論文を準備します。

本番当日は、問題に合わせて準備した内容を書いていきます。

文字数が足りない、内容が完結していないなどの減点ポイントを避けることが必要です。

とはいえ、型ができたとしても、内容がイマイチだったらダメなのでは?

確かに、内容も重要なポイントです。問題とまったく的外れな内容を書いていれば減点されてしまいます。

ただ、解答する内容は、既存政策の拡充などになりがちで、当然多くの受験生はそれなりの内容を書いてきます。

そこで、差がつくのが読みやすい文章かどうかです。

つまり、文章の流れがよく、読み手になるべくストレスを与えないことが重要になります。

なので、論文の型を固めて、読みやすい文章にすることが必要です。

論文試験の合格ライン

次に、合格ラインについて解説します。

論文試験を実施する目的は以下のとおりで、これを踏まえて採点がされます。

課題に対する問題意識を持っているか、論理的で読みやすい文章を作成することができているかを問う観点から、「問題意識」「問題解決力」「論理性」及び「表現力」について検証することを目的としています。

(昇任試験採点のポイントより)

どれくらいの字数を書けばいい?

文字数は、1,200字~1,500字程度書くべきです。

なぜかというと、試験問題の注意事項に、「1,000字に満たない場合は採点されない場合もある」と記載されているから。

目安として、1,500字の8割である1,200字程度でいいかと。

1,200字程度で論文の型が作成できれば、本番では着実に1,000字を超えることができます。

また、解答用紙の文字数には限りがあり、1,500字を大きく超えることはできないので注意しましょう。

試験では、指定された文字数の中で簡潔に書くことも求められるので、論文の内容はもちろん、限られた文字数で書ききることも重要です。

とはいえ、1,000字以上書けばいいのでは? 試験時間も限られているし、1,200字も書けないかも・・・

確かに、最低ラインは1,000字なので、それを越えていれば採点はしてもらえるかもしれません。

ただ、論文試験を通過するには、平均点以上を取る必要があります。

採点するうえで、第一印象である解答用紙の字数は、採点官へ少なからず影響を与えます

1,000字ギリギリのものと1,500字まで埋まっているものでは、後者の方が、印象がよく見えます。

なので、最低でも1,200字以上書きましょう。

合格水準はどのくらい?

結論からいうと、論文を完結させて、減点ポイントに該当しないこと。

論文の採点は、加点方式ではなく、減点方式なので、ルールや注意事項を確実に守り、減点されないことが大事だからです。

具体的な採点ポイント3つ

  1. 事前に用意した論文を出題テーマと関係なく再現する論文は大幅に減点する
    ⇒準備論文の丸写しはNGで、問題と合致する内容にせよということ
  2. 字数が一定数以下のものや、完結していないもの等は、仮に内容が優れていても大幅に減点する
    ⇒字数ノルマを守り、内容が未完のまま終わらせるなということ
  3. 決意表明の有無を評価の対象としない。設問で問われていることに対し、十分に字数を使って、論述すること
    ⇒「私は職員として、これらの課題に取り組む所存です」などの表明は、採点に影響しないから、書くなということ

以上のポイントは、昇任試験における論文試験の採点ポイントです。

採用試験においても、同様の視点で採点していると考えられるので、参考になるかと思います。

本当にそれくらいの目標水準でいいの?
内容も十分な論文を書かないとだめなのでは?

確かに、内容も十分で完成度が高い論文を書けるのがベストです。

ただ、試験はあくまで相対評価なので、受験生の平均より少し高い点数をとれればいいのです。

完璧に書ける人は少数なので、無理に高い完成度を目指す必要はありません。

なので、採点ポイントに注意し、論文を完結させることが重要です。

【攻略】論文試験の対策方法7ステップ

以下で、論文試験対策7ステップを解説します。

論文対策に要する時間は人それぞれですが、3か月くらいを目安にするといいです。

STEP
過去問分析と出題予想を行い、対策範囲をしぼる
STEP
論文回答例を参考に論文の型を固める
STEP
レジュメを作成して論文を書く
STEP
書いた論文を添削してもらう
STEP
模試を受ける
STEP
準備論文とレジュメを複数作成して覚える
STEP
論文を実際に手で書いてみる

ステップ1 過去問分析と出題予想を行い、対策範囲をしぼる

ステップ1では、過去問を分析して、どの分野が出そうか(または、出ないか)を予想し、対策する範囲を決めます。

出題される可能性が高いテーマを特定して、効率よく論文対策をするためです。

具体的には、直近の過去問リストを参考にして、出題の可能性が低い分野を切り捨てていきます。

昨年や一昨年出題されたテーマは当然出ないと考えてよいです。

また、過去の傾向から最近この分野が出ていないから、出題されるかもと推測していきます。

テーマ選定に当たっては、東京都の長期戦略関係の冊子が参考になります。

なお、頻繁に新しいものが出るので、最新のものを確認するように注意が必要です。

直近だと2021年3月に策定された「未来の東京戦略」の中にある分野から出題されることになるかと。

とはいえ、予想が外れることもあるし、あまり特定の分野にしぼらず対策すべきでは?

確かに、予想が外れるリスクもあります。

ただ、多少のリスクを取って対策する分野をしぼることで、大幅に時間を節約できます。

教養・専門試験の対策もある中で、論文試験の対策を進めることになるので、やることを最低限にすることが大事です。

なので、過去問分析をして、対策する範囲をしぼります。

【論文試験過去問リスト】

ステップ2 論文回答例を参考に論文の型を固める

ステップ2は、論文の解答例を参考にして、論文の型を固めていきます。

なぜなら、読みやすい論文には、型があるからです。

論文は、自分の考えを読み手に伝わるように書くことが大事になります。

具体的には、市販の参考書や予備校のテキストにある論文解答例を参考にします。

どのような論文構成になっているかを確認し、論文の型を固めていきます。

ただ、参考書の解答例はレベルが高いものもあるので、すべてをマネしなくても大丈夫です。

論文の流れと使用している接続詞を参考にする程度でいいかと。

論文の型の一例は以下のとおりです。自分に合う形にしていけばOKです。

【論文の構成例】

(1)資料1では、○○が増加していることがわかる。○○は喫緊の課題であり、○○に向けて取り組んでいく必要がある。資料2では、○○が減少していることがわかる。 ○○は○○の要因ともなっている。そのため、○○に向けて○○を取り組んでいく必要である。

(2)(1)の課題を解決するため、都は以下2点の取組を進めるべきである。

 第1に○○を推進していく。まず、○○する。具体的には、○○に取り組む。また、○○する。具体的には、〇〇を拡充していく。さらに、○○させる。具体的には、○○を強化していく。

 これらの取組により、○○が図れる。

 第2に○○を推進していく。 まず、○○する。具体的には、○○に取り組む。また、○○する。具体的には、〇〇を拡充していく。さらに、○○させる。具体的には、○○を強化していく。

 これらの取組により、○○が図れる。

 東京が○○していくためには、○○の実現が必要である。都はそれらの実現に向けた政策を更に充実させ、取組を加速しなければならない。

 

論文解答例の参考書

とはいえ、内容がよい論文であれば、型なんてなくてもいいのでは?

確かに、論文作成に慣れており、型がなくても読みやすい構成を組み立てられるのであれば、問題ありません。

ただ、多くの人は論文なんてめったに書かないですし、いきなり書き始めることは不可能です。

論文の型を覚えて、型に沿って書く方が、どんな問題にもぶれずに対応できるようになります。

なので、論文の解答例を参考にし、論文の型を身につけることが必要です。

ステップ3 レジュメを作成して論文を書く

ステップ3では、レジュメを作成して、型に沿って論文を書いていきます。

なぜかというと、準備論文を作成するためです。

レジュメは、テーマに対する課題と解答をまとめたものです。

このテーマが来たら、これを書くと決めておく感じですね。

3つくらい具体的な対策を書けるようにしておきます。

まずは、一番可能性が高い出題テーマから想定される問題を決めて、対応する解答案を「未来の東京戦略」 から検索して、レジュメを作成します。

レジュメをもとにしながら、論文の型に沿って、論文を作成していく感じです。

慣れるまでは難しいかもしれませんが、ひとまず論文の型にはめていくことを意識します。

WordやGoogleドキュメントなどを使用し、字数も確認しながら、論文を完成させます。

レジュメ作成例

論文回答例

ステップ4 論文を添削してもらう

ステップ4は、完成させた論文を添削してもらいます。

作成した論文が読みやすいものかフィードバックをもらうためです。

他人に見てもらうことで、様々な気づきが得られます。自分で書いただけで満足してはいけません。

予備校に通っていれば、予備校で添削を受けましょう。1つの論文につき、1~2回添削をうけて論文を完成させていくイメージです。

予備校で何度も添削を受ける場合は、添削する先生によって視点や意見が異なることもあるので、自分が納得する意見や改善点にしぼることも必要です。

独学の場合は、添削してもらえる機会も少ないと思うので、予備校などの添削付き論文対策コースなども検討してもいいかもしれません。

特に、以下の吉井塾論文対策コースは答案17問分と添削が付いて、1万円をきるのでコスパが良いです。

とはいえ、添削してもらってたくさんダメ出しされたらへこむし、見せるのも恥ずかしいから気が引けるな

最初から完璧なものを書ける人はいないので、安心して大丈夫です。

初めは全然だめでも、添削を受けて繰り返し修正をしていけば、確実に論文の質は向上していきます

なので、論文を書いたら、恐れずに添削してもらいましょう。

ステップ5 模試を受ける

ステップ5は、予備校で実施している模擬試験を受験します。

模試は本番と同じ形態で行われるので、論文の練習になるからです。

また、模試では、予備校が本試験の出題傾向を分析した精度の高い予想問題が出るので、非常に有益です

具体的には、東京都Ⅰ類B試験に対応している以下2つの模試を受ければOKです。

毎年2月から3月に行われるので、チェックしておきましょう。

ちなみに、模試では、自宅受験と会場受験がありますが、できれば本番と同じ環境に近い会場受験を選ぶとよいです。

とはいえ、まだ論文の準備もちゃんとできていないから、模試を受けてもそんな書けないよ

確かに、準備不足だと、思ったような結果は出ないかもしれません。

ただ、模試を受けることで、自分の現況が確認できるとともに、論文も添削してもらえるので、一石二鳥です。

また、模試の問題は本番の予想問題になっているので、同じような問題が本番で出るかもしれません。

つまり、模試を受けていることで、他の受験生より有利な立場に立てます

なので、予備校で実施している模試を受けましょう。

ステップ6 準備論文とレジュメを複数作成して覚える

ステップ6は、ステップ3と4を繰り返して、準備論文とレジュメを複数作成していきます。

守備範囲を広げ、本番に十分対応できるようにするためです。

具体的には、準備論文3つ、レジュメ5つ程度(準備論文の分も含む)用意できればいいかと。

とはいえ、論文1つ作成するのに精一杯で、2つも3つも作成できないよ

確かに、論文を完成させるのは大変です。

学習時間も限られる中、複数用意することは難しいかもしれません。

ただ、論文試験は自分が準備したテーマが出題されるかによって、出来ばえが大きく変わってきます

全く手が出ないような事態は避けたいので、なるべく広い範囲を準備することが必要です。

なので、最低でも準備論文は2つ以上、レジュメは3つ以上用意しましょう。

ステップ7 論文を実際に手で書いてみる

最後に、準備した論文を実際に手で書いてみます。

なぜかというと、本番は手書きだからです。

具体的には、準備した論文を原稿用紙などに手書きします。

その際、文字を書くだけでどのくらい時間がかかるか計っておきましょう。

本番は、解答を考えながら書くことになるので、思った以上に時間がかかるものです。

ちなみに薄くて細い文字は読みにくいので、シャープペンの芯は太くて濃いものを使う方が良いです。太さ0.9mm、濃さ2B以上がおすすめです。

とはいえ、論文が準備できていれば、わざわざ手書きしなくてもいいのでは?

確かに、本番当日は用意しておいた論文をベースに書ききれば、問題ありません。

ただ、オンライン化やペーパーレス化が進んでいるので、手書きする機会も減っているかと思います。

慣れないことを本番でやるのはリスクが高いので、なるべく避けたいところです。

なので、最低でも、1、2回は手書きして、手を慣れさせておきましょう。

論文試験の時間配分

論文試験本番の時間配分をざっくりでいいので、決めておきます。

時間内に確実に論文を完成させるためです。

以下は一例です。作業工程を決めて、90分で完成させる計画を組みます。

  1. 資料分析・課題抽出:10分
  2. 構成作成(レジュメ):10分
  3. (1)課題の論文作成:15分 
  4. (2)取組の論文作成:50分
  5. 推敲・確認作業:5分

とはいえ、書くことに夢中で時間配分なんて思いどおりにいかないよ、という意見もあると思います。

確かに、実際は論文を書ききることに必死なので、時間どおりにいく可能性は低いです。

ただ、おおよその時間配分を決めておくことで、順調に進んでいるか状況把握ができるので、時間内に書き終わるまでにどう軌道修正していくべきかが分かります。

なので、大体の時間配分を決めておきましょう。

【まとめ】論文試験攻略のカギは「型」を身につけること

最後にもう一度、本記事の内容を確認します。

本記事の要約

  1. 論文は型に沿って書く
  2. 文字は1,200字以上書く
  3. 添削を受けて、準備論文の完成度を上げる
  4. 模試を受けて、予想問題をゲットし本番に備える
  5. 本番の時間配分を決めておく

アウトプットには、インプットの量も必要です。

出題テーマに関する課題と取組をレジュメとしてまとめ、知識を増やすことで、他の受験生と差をつけられます。

論文試験は足切りがないとはいえ、論文試験で合格水準に満たないと最終合格は遠くなるので、十分な対策が必要です。

今回は以上となります。ありがとうございました。

この記事を書いた人

・ブラック企業で働きながら勉強して、2度目の挑戦で都庁へ合格
・都庁職員として8年勤務(3回の人事異動を経験)
・都庁の採用試験対策や勤務実態に関する情報を発信




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