【合格者が解説】都庁1類Aの公務員試験対策と採用事情【専門は2択】

東京

都庁1類A試験は、1類Bと何が違うの?
どう対策すればいいの?
専門試験はどの科目を選べばいいのかな…

今回は、このような疑問にお答えします。

本記事の内容

  • 都庁1類Aと1類Bの比較
  • 1類A採用予定者と受験者数の推移
  • 1類A試験の攻略ポイントと対策方法

この記事を書く私は都庁職員歴7年で、民間企業で働きながら都庁採用試験に合格し、都庁への転職を果たしました。

本記事では、都庁1類A試験における攻略ポイントや対策方法を紹介します。

結論として、1類A対策は1類B対策で十分です。専門試験は、1類Bの専門対策をベースに、財政学か公共政策から、解答できそうな方を選びます。

今回紹介する1類A試験対策を実践すれば、公務員試験初心者でも十分合格することができます。実際に私が実践して、1類A採用試験に合格できたからです。

都庁1類Aの試験対策に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください!

目次

都庁1類Aと1類Bの比較

試験内容で違うのは専門試験

試験で大きく違うのは、専門試験です。具体的には、以下表1のとおりで、専門試験以外は、ほぼ同じです。

1類Aの専門試験科目は、1題選択なので必要な科目自体は少ないのですが、問題の難易度が、1類Bよりも格段に高く試験時間も長いです。

1類Bは3題で2時間なのに対して、1類Aは1題で2時間30分です。

都庁1類A都庁1類B
教養試験40 題必須解答①知能分野(24題)②知識分野(16題)
試験時間:2時間10分
同左
専門試験記述式(5題中 1 題選択解答)
試験時間:2時間30分
記述式(10 題中 3 題選択解答)
試験時間:2時間
論文試験課題式(1 題必須解答)
試験時間:1時間30分
解答文字数:1,000字以上1,500字程度
同左
口述試験個別面接同左
表1 試験内容

(出典)

・東京都職員I類A採用試験案内

https://www.saiyou.metro.tokyo.lg.jp/saiyou2021/annai/1a/1a_03annai.pdf

・東京都職員I類B採用試験案内

https://www.saiyou.metro.tokyo.lg.jp/saiyou2021/annai/1b/1b_03annai.pdf

待遇の違いは2点

結論から言うと、待遇は初任給と主任試験受験までの期間が異なります。

初任給については、以下のとおりで、1類Aの方が約2万円高いです。

都庁I類A:約 240,200 円

都庁I類B:約 220,400 円

また、1類Aで採用されると、昇任試験である主任職選考に採用後3年目から受験できます。1類Bは採用後5年目からなので、2年早く受験可能です。

ただ、早く受験できるからと言って主任試験に早く合格できるわけではありません。1類A採用でもなかなか合格できない人もいますし、1類B採用で一発合格する人もいます。

倍率は8〜9倍

試験の倍率は、以下図1のとおりです。1類Aの方が1類Bに比べて高く、直近5年では8〜9倍で推移しています。

理由としては、採用予定者数が少ないこと、試験日程が他の公務員試験と被らないので、受験する人が多いためです。

図1 東京都採用試験倍率

年齢制限は31歳

1類A試験の年齢制限は31歳です。

1類B試験は29歳まで受験できるので、年齢要件を満たすなら、1類Aと1類Bを併願しましょう。

年齢制限については、以下の記事で解説しているので、参照ください。

採用予定者と受験者数の推移

採用予定者は50〜100人

1類A事務職の採用予定者数は、以下図2のとおりです。50〜100人の間で推移しています。

図2 1類A試験採用予定者数

受験者数は減少傾向

1類A事務職の受験者数は、以下図3のとおりです。近年は明らかな減少傾向にあります。

図3 1類A採用試験受験者数

(出典)試験選考実施状況

https://www.saiyou2.metro.tokyo.lg.jp/pc/selection/past/

1類A試験の対策方法

教養試験と論文試験は1類Bと同じ

教養試験と論文試験対策は、1類Bと同様の対策でOKです。

なぜなら、試験問題の内容やレベルが1類Bと同じだからです。1類Aの試験案内には、教養試験は大学卒業程度と記載があり、1類Bと同じレベルであることが明記されています。

具体的な対策方法は、以下の記事で解説をしていますので、参照ください。

本当に1類Bと同じ対策で大丈夫なの?1類A試験用の対策も必要では?

確かに、1類Aの論文試験問題には、「都の現行の施策に言及した上で」解答するように記載されており、1類Bよりも深い解答内容が求められています。

ただ、論文試験で高得点を狙うためには、都の施策を学習し、論文に盛り込むことは必須になります。

つまり、都の現行の施策に言及することは、1類Aに限らず1類Bでも必要です。

なので、教養試験と論文試験対策は、1類Bと同様の対策で十分といえます。

専門試験は1類B対策がベース

専門試験は、1類Bの専門試験対策をベースにします。科目は財政学と公共政策の2択です。

なぜなら、公法や民事法、経済原論は初心者には難しく、解答できない可能性が高いためです。

まずは、1類Bの財政学や政治学、行政学を中心に学習して、基礎を固めます。教養試験の社会科学や時事、論文試験対策も間接的に役に立つので、しっかり学習しておくといいです。

教材は、予備校を利用するなら、予備校の教材を使用すればOKです。独学であれば、参考書は、スーパー過去問ゼミ、まるパスがおすすめです。

参考書一覧

また、1類Bの専門試験対策は、以下の記事で解説しているので、参照ください。

本当に1類Bの対策だけで大丈夫なの?1類Aに特化した対策も必要では?

確かに、1類Aの専門試験は1類Bよりも難易度が高く、深い知識が求められるので、1類Aに特化した対策も効果的です。

ただ、I類A試験を専願で受ける人は少なく、1類A対策が十分な人は、ほぼいません。実際に、試験途中で退出する人も多いです。

なので、1類B試験対策をベースにして、余裕があれば、1類Aに特化した対策をすれば十分です。

ちなみに、受験生の多くが公共政策を選択するので、当日の問題内容にもよりますが、できれば財政学を選んだほうが良いですなぜなら、選ぶ人が少ない方が、採点基準が高くならずに有利になるためです。

合格ラインは7割解答

合格水準の目安としては、解答用紙の7割程度の分量があり、かつ、解答として大きく外れていない内容であれば、十分合格ラインに達します。

試験はあくまで相対評価なので、受験生の平均より少し高い点数をとればいいからです。

具体的に、解答用紙6枚中5枚目まで書くことが目安です。1枚400字から500字程度なので、2,000字から2,500字程度です。

字数を稼ぐためには、様々な知識を活用する必要があるので、少しでも使えそうな内容を積み上げていきます。

また、解答に当たって、以下の基本的事項を忘れないことも大事です。

  • 誰でも読める丁寧な文字を書く
  • 解答用紙に問題の番号を記入して、どこの問題に対する回答なのか示す
  • 採点者へストレスを与えないよう、読み手を意識した読みやすい記述となっている

専門試験は、試験時間も長く、長い文章を書くことになるので、体力的にも厳しい戦いになります。

答案を書き切ることで精一杯かもしれませんが、確実に合格ラインを突破するために、採点者が読みやすい答案の作成が重要です。

過去問確認は必須

問題の傾向をつかむためにも、過去問は必ず見ておきましょう。

直近の過去問は以下に掲載しますので、参考にしてください。

(参照)

専門記述(公共政策)過去問【1類A】

専門記述(財政学)過去問【1類A】

サイト名:アップドラフト 

1類A対策の予備校利用は必要?

結論から言うと、1類A試験のための予備校は不要です。

なぜなら、1類A試験対策は、基本的に1類B試験対策で十分だからです。

1類B試験対策におすすめの予備校は、以下の記事で解説しているので、参照ください。

とはいえ、1類B試験対策だけでは不安だから、1類A対策として予備校を利用したい人もいるはず。

確かに、万全な準備のために、予備校を利用することも選択肢の1つです。

ただ、1類A対策カリキュラムがある予備校はそもそも多くないので、選択の余地がほぼないのが実情です。

具体的には、以下2校のみであり、スポット的に受講するのであれば、LEC一択になります。

予備校によっては、1類B試験対策コースを受講していれば、1類A試験合格者の体験記や対策情報などが入手できるので、それを活用すると良いです。

なので、1類A試験対策に、必ずしも予備校は利用しなくても大丈夫です。

【まとめ】1類A対策は1類Bを万全にすること

最後にもう一度、本記事の内容を確認します。

  1. 1類A試験の倍率は1類B試験より高く、8〜9倍で推移
  2. 採用予定者数は50〜100人で推移、受験者数は減少傾向
  3. 教養試験と論文試験は、1類B試験対策と同様
  4. 専門試験は、財政学と公共政策の二択で、1類B試験対策がベース
  5. 1類A試験対策での予備校は不要

1類A試験は、大学院卒レベルの試験なので、感覚的に敷居が高くて、受験をためらうかもしれません。

ただ、院卒でなくても受験できますし、試験で結果を出せば十分合格も可能ですので、まずは受験してみることをおすすめします。

今回は以上となります。ありがとうございました。

この記事を書いた人

・ブラック企業で働きながら勉強して、2度目の挑戦で都庁へ合格
・都庁職員として8年勤務(3回の人事異動を経験)
・都庁の採用試験対策や勤務実態に関する情報を発信




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