【合格者が教える】都庁職員採用試験の特徴と対策方法|試験攻略のロードマップ

  • 東京都庁の採用試験はどんな試験なのだろう…
  • 試験に合格するための対策方法がわからない…
  • これから試験勉強するのに知っておくべき基礎知識や注意点を教えてほしい!

こんな疑問にお答えします。

東京都庁の採用試験は、毎年数百名を採用する大規模な試験です。

合格すれば公務員という安定した職が得られます。

近年は採用人数も増加傾向にあるため、またとないチャンスです。

とはいえ、都庁採用試験は独特の形式を持つため、試験の理解と計画的な対策が欠かせません

そこで本記事では、東京都庁の採用試験の基礎知識から対策方法まで解説します。

さらに、採用予定者数や競争倍率の推移も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

\主要科目のダイジェストDVD(非売品)プレゼント中/

目次

東京都庁職員採用試験とは

東京都庁職員採用試験とは

東京都庁の職員採用試験は、いわゆる公務員試験の一種で、東京都で働く正規職員を採用するために行う公的な試験です。

都庁の職員として仕事をするためには、この試験に合格する必要があります。

ここでは都庁採用試験の中の大卒以上を対象としたI類BとI類A試験を紹介します。

試験区分と受験資格

基本的に年齢要件を満たしていれば、誰でも採用試験を受験できます。

試験区分と受験資格は以下表のとおりです。

I類B(一般方式・新方式)I類A
年齢22歳~29歳24歳〜31歳
その他の受験資格・活字印刷文または点字による出題に対応できる
・地方公務員法第 16 条の欠格条項に該当しない
筆記試験の出題程度大学卒業程度大学院修了程度
(教養試験は大学卒業程度)
試験区分と受験資格

>>【リミットあり】都庁公務員の年齢制限と転職の3つの疑問を解説

採用人数と競争倍率

I類B(一般方式・行政)

採用人数は2021年まで減少傾向にあったものの、2022年以降は増加に転じ、前年比で約26%増加しました。

競争倍率も3.1倍から2.4倍へと低下しているため、受験者にとって合格しやすい絶好のタイミングといえるでしょう。

スクロールできます
採用予定者数受験者数最終合格数競争倍率
20104543,6155806.2
20114504,1386356.5
20124994,1476326.6
20134003,7875047.5
20144383,6435416.7
20154843,4656405.4
20163652,7065504.9
20173402,7514396.3
20183202,5644216.1
20192902,2764035.6
20202651,6263524.6
2021851,50711013.7
20223601,6775403.1
20234551,5256262.4
都庁I類B(一般方式・行政)試験の選考実施状況(2010年〜)

都庁I類B(一般方式・行政)の採用人数(2010年〜)
都庁I類B(一般方式・行政)の採用人数(2010年〜)

都庁I類B(一般方式・行政)の競争倍率(2010年〜)
都庁I類B(一般方式・行政)の競争倍率(2010年〜)

I類B(新方式・行政)

採用人数は2021年まで減少傾向にあったものの、2022年以降は増加に転じ、2023年は前年比で約65%増加しました。

新方式ではプレゼンテーションやグループワークが重視されるため、文章よりも口頭での発表に自信がある方におすすめです。

スクロールできます
採用予定者数受験者数最終合格数競争倍率
2013501,3147517.5
2014501,0786018.0
20151001,26711411.1
20161059201376.7
20171101,0431327.9
20181109271277.3
20191008061236.6
2020904941154.3
2021254433114.3
20221055211393.7
20231744332301.9

都庁I類B(新方式・行政)試験の選考実施状況(2013年〜)

都庁I類B(新方式・行政)の採用人数(2013年〜)
都庁I類B(新方式・行政)の採用人数(2013年〜)

都庁I類B(新方式・行政)の競争倍率(2013年〜)
都庁I類B(新方式・行政)の競争倍率(2013年〜)

I類A(事務)

採用人数は、2017年の115名をピークに2023年は40名へと減少傾向にあります。

しかしその間に倍率は7.9倍から5.6倍へと下がっており、相対的には合格しやすい状況ともいえるでしょう。

I類AはI類Bと試験日程が異なるため、I類Bと併願することで合格の可能性を高められます。

スクロールできます
採用予定者数受験者数最終合格者数競争倍率
2010401,4545725.5
2011401,3908117.2
2012551,3757219.1
2013521,3426720.0
2014601,3357617.6
2015901,41611712.1
2016951,3381459.2
20171151,0341317.9
20181009281158.1
201975756878.7
202063638798.1
2021203702415.4
202260359824.4
202340288515.6
都庁I類A(事務)試験の選考実施状況(2010年〜)

都庁I類A(事務)の採用人数(2010年〜)
都庁I類A(事務)の採用人数(2010年〜)

都庁I類A(事務)の競争倍率(2010年〜)
都庁I類A(事務)の競争倍率(2010年〜)

(引用データ)試験選考実施状況(東京都)

採用試験スケジュール

通常、都庁の採用試験日程は春から夏にかけて、毎年ほぼ同じ時期に実施されます。

ただし、試験日程は年によって多少変動することもあるため、最新の情報は東京都のホームページから確認してください。

新たな試験案内は毎年3月頃に東京都のホームページで発表されます。

例年の試験スケジュールは以下のとおりです。

I類B
(一般方式)
I類B
(新方式)
I類A
試験案内公表日3月上旬(金曜日)
申込受付期間3月下旬から 4月上旬
【受付期間は1週間】
第1次試験日4月下旬または5月上旬(日曜日)5月中旬(日曜日)
第1次合格発表日6月上旬6月上旬6月中旬
第2次試験日6月下旬または7月上旬6月中旬6月下旬または7月上旬
第2次合格発表日6月下旬
第3次試験日7月中旬
最終合格発表日7月中旬7月下旬7月中旬または7月下旬
都庁の採用試験スケジュール

都庁職員採用試験の対策方法

都庁職員採用試験の対策方法

それでは、都庁職員採用試験で実施される4つの試験対策方法を紹介します。

  1. 教養試験
  2. 専門試験(記述)
  3. 論文試験
  4. 口述試験(個別面接)

教養試験

教養試験は5肢選択式の試験です。

主に知能分野(論理的思考や計算能力など)と知識分野(一般常識や時事問題など)から出題されます。

出題内容は以下のとおりです。

I類B(一般方式・行政)I類A(事務)I類B(新方式・行政)
出題数40題必須回答35題回答(30題必須、5題選択)
試験時間2時間10分(130分)
出題範囲【知能分野】 文章理解、英文理解、判断推理、 数的処理、資料解釈、空間概念 
【知識分野】 人文科学系(文化、歴史、地理) 社会科学系(法律、政治、経済) 自然科学系(物理、化学、生物、地学)社会事情
【知能分野】文章理解、英文理解、判断推理、 数的処理、資料解釈、空間概念 
【知識分野】 人文科学系(文化、歴史、地理)社会科学系(法律、政治、経済)自然科学系(物理、化学、生物、地学) 社会事情(都政における重要施策を含む)
教養試験の内容

特に出題数が多い知能分野の対策を重点的に進めることがポイントです。

なお、I類AとI類B(一般方式)は同じ内容なので、対策方法も同様で問題ありません。

詳しい対策方法は以下の記事で解説しています。

>>【失敗しない科目選択】都庁公務員の教養試験対策を解説|目標は6割得点

専門試験

都庁の専門試験は記述式の試験です。

専門試験の出題内容は以下のとおりです。

I類B(一般方式・行政)I類A(事務)
出題数10題中3題 選択解答5題中1題 選択解答
試験時間2時間(120分)2時間30分(150分)
出題範囲憲法、行政法、民法、経済学、財政学、政治学、行政学、社会学、会計学、経営学公法、民事法、経済原論、財政学、公共政策
専門試験の内容

専門試験では、出題される問題を予測して、あらかじめ解答を準備しておくことが重要です。

なお、I類B(一般方式)とI類Aでは出題内容が異なるため、対策方法もそれぞれ異なる点に注意が必要です。

詳しい対策方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

I類B

>>【必見】都庁1類Bの専門記述科目の選ぶポイントを解説【公務員試験】

I類A

>>【合格者が解説】都庁1類Aの公務員試験対策と採用事情【専門は2択】

論文試験

論文試験は課題形式の試験です。

与えられた資料から課題を読み取り、自分で考えた具体的な取組を解答します。

試験内容は以下のとおりです。

I類B(一般方式・行政)・I類A(事務)
回答数1題必須解答
試験時間1時間30分(90分)
解答文字数1,000 字以上 1,500 字程度
論文試験の内容

論文試験では、社会情勢に関する知識と東京都の取組を事前に学習しておくことが重要です。

なお、I類B(一般方式)とI類Aは出題内容が同じであるため、対策方法も同様で問題ありません。

詳しい対策方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

>>【解決】都庁公務員試験の論文攻略ポイントと対策7ステップ【型が大事】

口述試験(個別面接)

口述試験は、いわゆる面接試験です。

事前に提出する面接シートをもとに、面接官との対話形式の試験が行われます。

試験内容は以下のとおりです。

I類B(一般方式・行政)I類B(新方式・行政)I類A(事務)
試験内容主として人物についての個別面接プレゼンテーション及び人物についての個別面接
グループワーク及び人物についての個別面接
職務に関連する専門知識及び人物についての個別面接
試験時間約30分
口述試験の内容

口述試験では、綿密な面接シートの作成と事前の面接練習がポイントです。

具体的な対策方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

>>【合格率○%】都庁公務員試験の面接対策5ステップと攻略ポイントを解説

都庁採用試験対策に必要なモノと体験

都庁採用試験対策に必要なモノと体験

続いて、都庁採用試験対策に欠かせないモノや体験を3つ紹介します。

  1. 学習教材(参考書)
  2. 模擬試験
  3. 採用セミナー

学習教材(参考書)

採用試験対策として参考書は必須です。

試験学習は参考書をベースに行っていくためです。

予備校を利用する場合は、配布される教材(参考書)を使用します。

教材を読み進めて問題演習を行い、内容の理解を深めていくといいでしょう。

学習が進んで内容に少し物足りなさを感じてきたら、追加で市販の参考書を購入して知識を補完するといいです。

一方、独学で学習する場合は、自分に適した市販の参考書を選び、学習を進めます

私が実際に使用してよかった参考書を以下の記事で紹介していますので、迷った時は参考にしてみてください。

>>【解決】都庁公務員試験におすすめの参考書と選び方を紹介【独学者向け】

模擬試験

学習の集大成として模擬試験の受験が有効です。

模擬試験は、大手予備校が過去の傾向と最新の情報を分析し、その年の出題を予測して作成します。

自分の現時点の実力と弱点が把握できる絶好のチャンスです。

試験本番の予行演習にもなるため、受験して損はありません。

論文試験や専門記述試験の模擬試験を受けた場合は、具体的なフィードバックも得られます

とはいえ、模擬試験の受験回数が増えると、時間と体力の面で負担が大きくなるため、厳選してバランスよく受験しましょう。

私が実際に受験して有益と感じた模擬試験を以下の記事で紹介していますので、迷ったときは参考にしてみてください。

>>【受けないと損】都庁受験者におすすめの公務員模試を解説【3つでOK】

採用セミナー

東京都が主催するセミナーへの参加もおすすめです。

先輩職員から実際の業務内容を聞けて、気になることを直接相談できます。

東京都は年に数回、採用活動の一環としてセミナーを開催しており、東京都の具体的な事業やプロジェクト内容の詳細を聞けます。

また、実際の働き方や職場環境、キャリアパスの体験談を直接聞くこともできるため、入庁後の具体的なイメージを知れる絶好の機会といえるでしょう。

セミナーで得た知識や経験は、個別面接時のアピールポイントになることもあります。

そのため、セミナーなどの各種イベントへに参加するのがおすすめです。

東京都職員採用イベント情報

https://www.saiyou2.metro.tokyo.lg.jp/pc/event/index.html

都庁採用試験の対策前に押さえておくべき3つのポイント

都庁採用試験の対策前に押さえておくべき3つのポイント

最後に、都庁採用試験の対策前に押さえておくべき3つのポイントを紹介します。

  1. 東京都庁と特別区(東京23区)の違い
  2. 都庁試験対策に有効な学習形態(独学と予備校)
  3. 東京都庁職員の働き方と福利厚生

東京都庁と特別区(東京23区)の違い

都庁と特別区では業務内容はもちろん、採用試験の内容も異なります。

東京という同じ場所にあるものの、異なる組織であるためです。

主な業務は以下のとおりです。

特別区住民に身近な日常生活に直結する事業
都庁大規模なインフラ計画や区市町村との連絡調整など、広域にわたる事業

職員採用試験の形式や内容も違うため、対策方法もそれぞれ異なります

なお、特別区I類と都庁I類Bの試験日は同じであるため、同時に受験することはできません

都庁と特別区の違いや選び方は以下の記事で詳しく紹介していますので、選択に迷ったときは参考にしてみてください。

>>【公務員試験】都庁と特別区の失敗しない選び方を解説【倍率比較あり】

都庁試験対策に有効な学習形態(独学と予備校)

学習形態で迷うなら予備校の方がいいでしょう。

予備校は効率的に学習できる環境が整っており、試験に向けたサポートが充実しているためです。

特に、公務員試験の勉強が初めての方や時間管理が不得意な方には、予備校の利用をおすすめします。

一方、自己学習が得意で時間管理に自信がある方は、独学でも問題ないでしょう。

なお、状況や能力、資金など一人一人の前提が異なるため、一概にどちらが良いとは言えません。

どちらを選ぶにせよ、試験まで根気強く勉強を続けることが重要です。

以下の記事では、独学と予備校それぞれのメリットとデメリットを紹介しているので、選択に迷ったときは参考にしてみてください。

>>【独学と予備校どっちが正解?】都庁公務員試験のための学習方法を解説!

東京都庁職員の働き方と福利厚生

都庁は福利厚生が充実しており、比較的ワークライフバランスが取りやすい職場が多いです。

ただ、入庁後の現実と期待が乖離しないように、都庁の働き方や待遇を事前に把握しておくといいでしょう。

例えば、給料や残業時間、休暇の取りやすさなどは、要チェックです。

実際に働いてみないと分からないことも多いですが、事前に確認できることは知っておいて損はありません。

入庁後の働き方を具体的にイメージすることで、試験勉強のモチベーション向上にもつながります。

私の実体験をもとにした都庁での勤務実態は、以下の記事で紹介しているので参考にしてみてください。

>>都庁の勤務実態

【まとめ】計画的な試験対策で都庁採用試験の合格を勝ち取ろう

【まとめ】効率的な試験対策で都庁採用試験の合格を勝ち取ろう

都庁職員採用試験に合格するためには、計画的な対策が必要不可欠です。

まずは試験スケジュールと試験内容をしっかりと把握しましょう。

時間割を作成して、それぞれの科目に費やす時間を決めるのも有効です。

試験対策は時間をかけてコツコツ積み上げていく地道な努力が欠かせません。

大変なプロセスであるがゆえに脱落していく人が多いため、ときには心が折れそうにもなるでしょう。

しかし、粘り強く続けた人には必ず結果がついてきます

あきらめずに試験対策に取り組み、合格を勝ち取りましょう。

この記事を書いた人

・ブラック企業で働きながら勉強して、2度目の挑戦で都庁へ合格
・都庁職員として8年勤務(3回の人事異動を経験)
・都庁の採用試験対策や勤務実態に関する情報を発信




目次