【合格率○%】都庁公務員試験の面接対策5ステップと攻略ポイントを解説

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都庁の面接試験はどんな試験なんだろう?
どのように対策すればいいのか、具体的な方法を教えてほしい。

今回は、このような疑問にお答えします。

都庁の面接試験の合格率は約50%です。

決して低い数字ではありませんが、約2人に1人は落ちるため万全な対策が必須といえるでしょう。

この記事を書く私は都庁職員歴8年。民間企業で働きながら、都庁採用試験に合格し転職しました。

本記事では、都庁採用試験の面接試験における攻略ポイントや対策方法を紹介していきます。

今回紹介する面接試験対策で、実際に私は都庁の採用試験に合格したので、都庁公務員試験の面接対策に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

【本記事の内容】

  • 都庁公務員試験の面接試験概要
  • 面接試験の倍率と合格ライン
  • 面接試験の対策方法5ステップ

>>【解決】都庁公務員試験におすすめの参考書と選び方を紹介【独学者向け】

目次

【結論】面接は準備が9割|面接官との円滑な会話が重要

【結論】面接は準備が9割|面接官との円滑な会話が重要

結論から言うと、面接試験は準備で9割決まります。

なぜなら、面接試験は面接官との円滑な会話のキャッチボールができ、減点ポイントを少なくすればいいからです。

具体的には面接シートを仕上げて、想定問答を作成します。その後、模擬面接を行い改善点を修正していく形です。

ただ、面接試験は面接官との相性もあるので、準備すれば必ず合格できる訳ではありません。

私も実際に、圧迫のような質問攻めに会い、面接で不合格になったこともあります。

一方、準備不足だと自分の考えがまとまっておらず、取り繕った回答になりボロが出やすく、印象が悪くなります。

そのため面接試験は万全の準備や対策が必須です。

都庁の面接試験概要

東京都庁の面接試験概要

面接日程

面接の日程は、年度によって若干異なります。

毎年3月頃に日程が発表されるので、東京都職員採用ホームページを確認しましょう。

令和3年度は以下表1のとおりでした。

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試験種面接日程(2次試験)1次試験合格発表日1次試験日
1類B(一般方式)6月15日(火)から6月23日(水)までの間で指定する1日6月2日(水)5月2日(日)
1類A6月24日(木)、25日(金)のうち1日6月15日(火)5月9日(日)
表1 東京都採用試験日程(抜粋)

面接の詳細日程は、1次試験合格発表日にハガキで届きます。

試験日や時間は変更できないので要注意です。

試験日は土日ではなく平日なので、仕事がある場合は休暇手続きを忘れずに行いましょう。

面接の所要時間と形式

面接は面接官3人、受験生1人の形式で行われます。時間は30分前後です。

面接会場は、お台場にあるテレコムセンターです。

アクセスしづらい場所なので、時間に余裕を持っていきましょう。

面接の形式に関しては、以下の記事が参考になります。

都庁の面接形式と聞かれる質問、具体的な対策について

ASK公務員

面接倍率

面接試験における倍率は、1類Aは平均2.4倍、1類Bは平均2.0倍です。

決して高くはないですが、約2人に1人は落ちるので、気を抜かずに対策する必要があります。

具体的な倍率推移は以下表と図のとおりです。

直近5年で見ると、1類A、1類Bともに倍率2倍前後で推移しています。

東京都1類A採用試験 2次試験倍率 推移
図1 東京都I類A採用試験 2次試験倍率推移
東京都1類B採用試験 2次試験倍率 推移
図2 東京都I類B採用試験 2次試験倍率推移
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実施年度2次試験受験者数(I類A)最終合格者数(I類A)倍率
令和3年度55242.3
令和2年度141791.8
令和元年度193872.2
平成30年度2701152.3
平成29年度2501311.9
平成28年度2621451.8
平成27年度3771173.2
平成26年度188762.5
平成25年度169672.5
平成24年度186722.6
平成23年度203812.5
平成22年度171573.0
       2.4(平均倍率)
表2 東京都I類A採用試験 2次試験受験者数と最終合格者数
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実施年度2次試験受験者数(I類B)最終合格者数(I類B)倍率
令和3年度2451102.2
令和2年度6643521.9
令和元年度7974032.0
平成30年度10204212.4
平成29年度10934392.5
平成28年度8895501.6
平成27年度12076401.9
平成26年度7655411.4
平成25年度9185041.8
平成24年度11936321.9
平成23年度11726351.8
平成22年度11945802.1
2.0(平均倍率)
表3 東京都I類B採用試験 2次試験受験者数と最終合格者数

(引用)東京都職員採用 試験選考実施状況

https://www.saiyou2.metro.tokyo.lg.jp/pc/selection/past/

都庁面接試験の合格水準

都庁面接試験の合格水準

面接シート記載字数は8割以上

面接シートは最低でも8割以上は記入しましょう。

空白が多いと、悪い印象を与える可能性があるからです。

各項目の具体的な文字数の目安は、以下表のとおりです。

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項目(I類A)文字数目安
①志望理由約330文字(=41文字*10行*0.8)
②これまでに学習したこと研究した内容、成果や達成感を得た経験約500文字(=41文字*15行*0.8)
③東京都で実現したいこと約400文字(=41文字*12行*0.8)
表4 面接シート文字数【I類A】
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項目(I類B)文字数目安
①これまでに学習したこと研究した内容約160文字(=39文字*5行*0.8)
②力を入れて取り組んだこと3つ約30文字*3つ(=38文字*1行*0.8)
③成果や達成感を得た経験約190文字(=39文字*6行*0.8)
④志望理由約190文字(=39文字*6行*0.8)
⑤やってみたいこと約190文字(=39文字*6行*0.8)
表5 面接シート文字数【I類B】

とはいえ、各項目内容が十分書かれていれば、字数は関係ないのでは?

確かに、文字数に関する条件はないので、字数が少ないことによる減点はないかもしれません。

ただ面接官は面接シートを見ながら質問するので、文字数が少ないと面接官へ質問ネタを探すストレスを与えます

文字数が多い方が試験への意欲を間接的に伝えられるため、少なくとも面接官への印象は悪くなりません。

そのため面接シートは最低でも8割以上は書くようにしましょう。

(出典)

令和3年度I類A 第2次試験提出書類等の案内

令和3年度I類B 第2次試験提出書類等の案内

採点ポイントは4つ

試験採点のポイントは、東京都の求める人材であることです。

なぜかというと、面接官は試験案内に明記されている基準をもとに採点を行うからですね。

具体的には、以下4つのポイントをおさえましょう。

<東京都の求める人材像>

  1. 高い志と豊かな感性を持った人材
  2. 進取の気性に富み、自ら課題を見つけ、進んで行動する力を持った人材
  3. 都民から信頼され、協力して仕事を進める力を持った人材
  4. 困難な状況に立ち向かい、自ら道を切り拓く力を持った人材

ちなみに、2番目の「進取の気性に富む」とは、従来の習わしにとらわれることなく、積極的に新しい物事へ取り組んでいく気質や性格のことです。
つまり、前例にとらわれず、チャレンジする姿勢が大事ということ。

でも自分は全てのポイントを満たす人材ではないし、面接でアピールするのも無理だよ。

確かに、短い時間の中で全てのポイントを押さえて、自分が求める人材像に合致することを伝えるのは難しいです。

ただ、採点ポイントである以上は避けては通れません。

面接官も受験生の内面までは正直わからないので、求める人材像に近づく姿勢を見せることが重要です。

合格水準は足切り超え

合格水準は足切りを超えることが目安となります。

採用試験案内に、「2次試験の成績が一定基準に達しない場合は、1次試験の成績にかかわらず不合格となります」とあるからです。

具体的な足切りラインは、質問に適切に回答できていることと推定され、ポイントは以下のとおり。

① 質問に端的に答えること

面接試験を通過するには、面接官とのスムーズな会話が必要です。質問されたことだけに、回答することを心がけます。

② アピールしすぎないこと

面接時間は限られているため、面接官は聞くべきことが、ある程度決まっています。返答時間が長いと予定どおりに行かず、面接官へストレスを与えてしまい印象も良くないです。

とはいえ、足切りを超えても合格できないこともあるのでは?

確かに最終合格は総合成績で決まるので、足切りを越えた上で平均点以上を取らないと合格はできません。

ただ、面接の具体的な採点方法は非公開です。

大まかな採点基準はあるものの、人間が人間を評価する以上個人の感情も入るため、正しい評価は不可能といえます。

なので、大幅な減点を避け、足切りを越えることを目安にしましょう。試験本番は当然緊張しますし余裕がないと思うので、気負うことなく楽に構えることも大事です。

(参照)

令和3年度東京都職員I類A採用試験案内

令和3年度東京都職員I類B採用試験案内

面接対策を始める時期は1次試験後

面接対策は合格発表を待たずに1次試験終了後から始めましょう。

1次試験合格発表後では、対策が間に合わないないからです。

面接シートの様式は、1次試験の合格発表に合わせてホームページに掲載されます。

例年面接カードの内容はほぼ同じなので前年度のシートを基に作成しておき、当該年度の面接シート様式掲載された後に転記するといいです

1次試験不合格だったら面接準備をしても意味ないし、合格発表後でもいいのでは?

確かに、1次試験不合格の場合、2次試験対策は無意味となるかもしれません。

ただ、1次合格発表後から対策を始めると、試験までの時間が少なく準備不足にならざるを得ません。

2次試験に万全の体制で挑むには、合格発表を待たずに対策を始めることが必須です。

自己分析や面接シート作成は、他の公務員試験や民間企業の面接時にも活用できるので、やっていて損はありません。

まずは面接における最低限の知識やマナーを把握するために、以下の本をサクッと読んでおきましょう。

都庁面接対策方法5ステップ

都庁面接対策方法5ステップ

以下では、面接試験対策を5ステップで解説します。

対策に要する期間は人それぞれですが、1か月くらいを目安にするといいです。

①STEP1 自己分析

まずは、自己分析を行い、アピールポイントを探求します。

自分をアピールするためには、自分を知る必要があるからです。

具体的には、過去の経歴や自分が行動したこと、行動に至る考えなどを紙やパソコンに書いて、まとめていきます

どんな小さなことでも思い出せるだけ書いていき、ひたすら自分と向き合うことが大切です。

以下の項目を中心に、内省を行います。書くことで、頭が整理されるとともに、忘れていたことも思い出しやすくなります。

  • 大学のゼミ・研究室で取り組んだこと、挫折・成功体験
  • 就職活動で取り組んだこと、挫折・成功体験
  • アルバイトで取り組んだこと、挫折・成功体験
  • 趣味や興味があること
  • 前職・現職で取り組んだこと、挫折・成功体験
  • 公務員を希望するきっかけ
  • 東京都で取り組みたい仕事とその理由

とはいえ、自分にはアピールするポイントとかないし、自己分析しても意味ないよという意見もあると思います。

確かに、誰もが大きな実績や表彰された経験がある訳ではないので、面接受けするような内容は書けないかもしれません。

ただ、大半の人は万人受けする経験はないので、心配する必要はないです。小さなことでもいいので、自分が行ったことを書き出してみるといいです。

大学卒業時には、卒業論文やゼミでの課題に取り組んでおり、就職する際には採用されるために何かしらの努力や行動はしています。

また、就職後は、仕事に取り組む中で様々な苦労や挫折とともに、売上や顧客満足度アップ、コストカットなど小さな成功体験があるはずです。

一見何ともない経験でも、他人から見ると貴重である可能性もあります

なので、自己分析を行い、アピールポイントを捻出しましょう。

公務員未経験でも問題ない?

前職が公務員と全く関係ない仕事であっても問題ありません。公務員経験がある受験者は少数であり、多くが公務員未経験からのスタートです。

むしろ、公務員は利益追求や顧客サービスの増進等の考えがとぼしく、サービス水準が比較的低い傾向にあるので、民間企業での経験は公務を実施していく上でも有用といえます。

②STEP2 面接シート作成

自己分析で書き出したものをベースに、面接シートを作成します。

面接官は、面接時にシートを初めて見るので、相手に伝わりやすいように具体的に書くことが必要です。

粗々でもいいので一度完成させて、文字数を確認しつつ推敲を繰り返して、精度を高めていきます。

新卒受験生と差がつけられるので、なるべく民間企業での経験を面接シートに書いて、アピールするといいです。

公務員は、新卒で入ると1度も転職せずに定年退職を迎える人が多いので、民間経験があることは圧倒的に有利となります。

時代の変化が早い昨今、必要な人材確保は内部研修や教育だけで補うことは難しいため、民間からの転職組を今後も積極的に採用するはずです。

③STEP3 面接シート添削

面接シートを作成したら、予備校などを利用して添削してもらいます。

客観的にわかりやすい内容になっているかなど、フィードバックをもらうためです。

予備校に通っている場合は、面接シート添削が受講コースに含まれています。独学の場合は、添削サービスのみ実施している予備校などで添削してもらうといいです。

添削だけなら、吉井塾の面接カード添削コースが一番コスパが高いです。

公務員試験の吉井塾: 面接カード添削(回数無制限) 12,000円

面接は、自分の過去や未来への考えを表現する場です。その答えができるのは自分だけなので、自己分析や面接シート作成は自分でやるしかありません。

一方、予備校でのカウンセリングや面接シートの添削を通して、具体的エピソードを呼び覚ますきっかけにもなり、自分の思考を言語化できるので、効果的です。

とはいえ、添削でダメ出しされたらへこむし、見せるのも恥ずかしいよ。

確かに、添削を受ければ、多くの指摘や修正点が出てくるので、気を落とすかもしれません。

ただ、添削を受けることで、独りよがりな文章になっていないか、相手に読みやすい文章になっているかなど、改善点が明らかになります

文章の見た目や内容で、面接官へ与える印象も大きく変わります。

初めから完璧なものを書ける人はいないので、恐れずに添削を受けましょう。添削と修正の繰り返しで、完成度が高まります。

④STEP4 想定問答(Q&A)作成

面接シートから想定される質問を考え、その答えを準備します。

試験本番で、スムーズに受け答えするためです。

質問は、面接シートの内容を深掘りして聞かれることが多いので、シートに書いたことは、何を聞かれてもいいようにします。

面接における想定質問の回答は、必ず自分で考えるようにします。本に載っている模範回答をそのまま書いてしまうと、深く聞かれた時に答えられないからです。

筆記試験とは違い、面接には答えがないので、見栄を張らずに等身大の自分を相手に伝えることを心がけます

ただし、明らかに印象を悪くする回答は避けることが必要です。

例えば、以下のように言い換え表現を使用して、前向きな印象を与える工夫をします。

  • 気質が合わない人がいたら、無視して関わらないようにする。
  • 気質が合わない人とは、距離を置きつつ、自分の行動を変えてみる。他人は変えられないので、不必要に干渉しない。

想定質問作成にあたっては、以下の動画が参考になります。

【公務員】東京都庁 面接 イレギュラー質問集

面接シートを十分作り込んでいれば、想定問答を作成しなくてもいいのでは

確かに、質問は面接シートをベースに行われるので、想定質問を準備せずに乗り切ることも可能です。

ただ、面接試験では、面接シート以外の事項も聞かれますし、想定外の質問に対応する必要があります。

本番中にも少し考える時間はありますが、事前にわずかでも準備していれば、ゼロから考えるよりは、円滑に回答できるので、想定問答の準備が必要です。

⑤STEP5 模擬面接の受講

最後に、予備校などで実施している模擬面接を受けます。

試験本番までに面接の練習を行い、合格の可能性を上げるためです。

営業職経験があり他人との会話に慣れているなど、面接に特別自信がある人を除き、限られた時間の中で、自分を表現するためには、一定の練習が不可欠です。

予備校に通っている場合は、受講コースに模擬面接が含まれているので、準備ができしだい予約しましょう。

独学の場合は、模擬面接のみ実施している予備校など(以下表6参照)を利用するといいです。

実施校コース名価格
EYE公務員予備校面接・小論文コンパクトコース(面接指導 3回(1回30分))77,000円
アガルート面接対策講座(模擬面接:1回)19,800円
CSSモギメンパック3回パック(面接カード添削付き)※1、5、10回パックあり18,900円
公務員試験の吉井塾模擬面接のみコース(1回30分×3回) ※模擬面接20分+講評10分10,000円
喜治塾模擬面接 1回30分9,000円
表6 面接対策のみ受講できる予備校一覧

模擬面接前に、面接の基礎的作法等を、予備校や市販の本で確認しておくといいです。

模擬面接の利用回数は、2、3回を目安にします。本番までの時間が限られており、予約が取れない場合もあるからです。

ただ、模擬面接回数が無制限の場合や、面接に苦手意識や不安がある場合は、面接に慣れることも含めて、なるべく多く受けた方がいいでしょう。

模擬面接で講師からフィードバックされた点を中心に、改善を繰り返すことで完成度を高めます

とはいえ、まだ面接準備も十分にできていないし、気が引けるな。
模擬面接を受けても、きっとうまく受け答えできないし、意味ないのでは?

確かに、準備不足であれば、会話のキャッチボールができず、思ったような結果は出せないかもしれません。

ただ、模擬面接を受講することで自身の現状把握ができ、自分のくせや改善点が明確になるので有益です。

また、模擬面接は本番を想定して行われるので、試験当日同じような質問がされる可能性が高く、他の受験生よりも優位に立てます。

なので、模擬面接はを必ず受けましょう。

【まとめ】都庁面接試験攻略のカギは徹底的な準備

【まとめ】都庁面接試験攻略のカギは徹底的な準備

最後にもう一度、本記事の内容を確認しましょう。

【本記事の要約】

  1. 面接は面接官との円滑な会話が重要
  2. 面接試験の倍率は2倍前後
  3. 面接対策は1次試験終了後から始める
  4. 面接シートは8割以上記載する
  5. 面接シート添削と模擬面接は必須

面接試験は約2人に1人は落ちる試験です。

なお面接での足切りもあるため、1次試験に合格しても気を抜かず対策する必要があります。

上記の5ステップを踏んで対策すれば十分合格水準に達することは可能なので、徹底的に準備して本番に臨みましょう。

今回は以上となります。ありがとうございました。

この記事を書いた人

・ブラック企業で働きながら勉強して、2度目の挑戦で都庁へ合格
・都庁職員として8年勤務(3回の人事異動を経験)
・都庁の採用試験対策や勤務実態に関する情報を発信




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