都庁公務員の住宅手当はどれくらいもらえるのだろう?公務員宿舎とかあるのかな?どうやって入るのか教えてほしい!
このような疑問にお答えします。
本記事の内容
- 都庁公務員の住宅手当の現状
- 国や他自治体の住宅手当事情
- 都庁の職員住宅における実情
この記事を書く私は都庁職員歴8年で、以前住宅手当を支給されていました。
職員住宅にも申し込んだことがあるあめ、都庁公務員の住宅事情を具体例を交えて解説します。
結論から言うと、都庁公務員の住宅手当は高くはありません。ただ、職員住宅に入居できればお得に住むことも可能です。
本記事を読み終えると、都庁公務員の住宅手当や職員住宅がどんなものか分かります。
都庁公務員の住宅事情が気になる方は、ぜひ参考にしてみてください!
都庁公務員の住宅手当支給は34歳まで
都庁職員の住宅手当の概要は以下のとおり。「職員の給与に関する条例」で決まっています。
- 支給額 :月額15,000円
- 支給条件:35歳未満の世帯主で、月額15,000円以上の家賃を支払っていること
35歳以上の職員と持ち家の職員は住宅手当がもらえません。
もし家を購入する予定があるなら、34歳まで賃貸に住んで住宅手当をもらってからが一番お得です。
【参照資料】
・職員の給与に関する条例11条の3
・住居手当に関する規則
他の公務員の住宅手当状況
国や他自治体の住宅手当状況は、下記表1のとおりです。
対象 | 支給額 | 支給条件 |
---|---|---|
国家公務員 | 月額28,000円(上限) | 月額16,000円を超える家賃を支払っている職員 |
特別区(東京23区) | ~26歳 : 27,000円 27~32歳 : 17,600円 33歳~ : 8,300円 | 月額27,000円以上の家賃を支払っている職員 |
都内市町村(立川市・島しょ部を除く) | 月額15,000円 | 35歳未満の世帯主で、月額15,000円以上の家賃を支払っていること |
横浜市 | 月額19,600円 | 41歳未満で、家賃を支払っている職員 |
神奈川県 | 月額28,500円(上限) | 月額16,000円を超える家賃を支払っている職員 |
埼玉県、千葉県等 | 月額28,000円(上限) | 月額16,000円を超える家賃を支払っている職員 |
国や他の自治体に比べて、東京都の住宅手当が低いことが分かります。
多くの自治体は国の支給額や条件と同等にしています。
一方で、特別区や横浜市などは独自に定めているようです。
なお都内の市町村は東京都の水準に合わせています。
【参照資料】
・国家公務員の諸手当の概要
・特別区人事・厚生事務組合職員の給与に関する条例
・東京都内市町村の給与制度に関する状況の公表について
都庁の職員住宅事情
次に、都庁の職員住宅に関する状況を解説します。
①職員住宅の区分
職員住宅は、非常事態等発生の際に活動する職員のために設置されています。
業務レベルなどに応じて第一号から第三号までの3つの区分があります。
①第一号住宅
本来の職務に伴い、勤務時間外においても都民の生命若しくは財産を保護するための非常勤務又は通信業務に関する非常勤務に従事するため、その勤務する公署の構内又はこれに近接する場所に居住する必要がある者で、常時待機的な拘束を強いられるものの居住の用に供するために設置する②第二号住宅(災害対策職員住宅)
勤務時間外において、地震、災害等の非常事態が発生した場合、災害対策業務が円滑に遂行されるまでの間、発災初期における情報収集及び連絡応急活動を実施する態勢を確保するために必要な災害対策要員の居住の用に供するために設置する③第三号住宅
(引用元)東京都職員住宅管理規則
地震、災害等の非常事態が発生した場合、円滑に災害対策業務を遂行するために入居の必要があると認められる者の居住の用に供するために設置する
②種別と家賃
種別は大きく家族住宅と単身住宅の2つに分けられます。
家賃は相場より安くなっています。
戸数や使用料は、以下表2と表3のとおりです。
第二号住宅(災害対策職員住宅)は新宿や立川近辺にあります。
第三号住宅は、渋谷、中目黒、福生などにあります。
【参照資料】
③入居方法
職員住宅は、申し込めば誰でも入れるわけではありません。
入居申込後に行われる選考に通過する必要があります。
なお一般職員が申し込めるのは、第二号住宅(災害対策職員住宅)と第三号住宅の空きが出た物件です。
第一号住宅には災害対応などの特定の部署に配属された職員のみ入居できます。
第二号住宅(災害対策職員住宅)
申し込みは11月から12月に行われる年1回のみです。
書類選考のほか面接もあります。
家賃が激安のため倍率が高く、選考通過は狭き門です。
入居すると災害時に出勤が義務付けられるとともに、訓練参加や4週に1回の待機当番があり、外出範囲(徒歩30分圏内)が縛られるなど生活への制限が課せられます。
とはいえ、家賃を大きく抑えられるので、入居できればメリットが大きいです。
実際に第二号住宅に数年住んで、住宅購入資金を貯めた職員もいます。
第三号住宅
申し込みは1月から2月頃の年1回のみです。
面接はなく書類選考のみとなっています。
都外に住んでいる人が優先的に入れるため、地方出身の新規採用職員に入居している人が多いです。
第6希望まで書けるため、場所を選ばなければ比較的入れるでしょう。ただ、渋谷などの人気エリアや戸数が少ない住宅は、倍率が高く入りづらいです。
第三号住宅は訓練参加の義務はあるものの、外出制限はありません。
入居できれば相場より安い家賃で住めてお得です。
④入居期間
入居期間は、以下表4のとおりです。
住宅区分 | 入居期間 |
---|---|
災害対策職員住宅 | 原則5年(上限通算15年) |
第三号住宅(家族住宅) | 6年 |
第三号住宅(単身住宅) | 5年 |
入居できるのは、入居指定日(3月頃)の翌日から14日以内です。
なお、敷金・礼金・仲介手数料・更新料などはありませんが、引っ越し費用は自己負担です。
東京都の住宅手当動向
結論から言うと、今後はしばらく現状維持が続くと思います。
直近の「職員の給与に関する報告と勧告」で、今後の課題として住宅手当に触れていないからです。
令和元年に国家公務員の住宅手当引き上げが行われた際も、参考として国家公務員の改正内容が書かれているだけでした。
ただ、過去の経緯を見ると、下記表5のとおり、10年単位で住宅手当の見直しが行われています。
また、都庁でも在宅勤務が進んでいるので、今後在宅勤務に関する手当が住宅手当とは別に支給されることも考えられます。
そのため、近いうちに何かしらの見直しが行われる可能性はあります。
年 | 内容 |
---|---|
H12 | ・世帯主(扶養あり)8,700円→9,000円 ・世帯主(扶養なし)8,200円→8,500円 |
H22 | ・世帯主(扶養あり)9,000円→8,500円 |
H24 | ・支給対象者を若年層(当該年度末35歳未満)の借家・借間に居住する世帯主等に限定 ・自宅に居住する職員及び管理職は支給対象外 ・支給金額を15,000円に改定 |
【参照資料】
・令和元年職員の給与に関する報告(意見)
・平成24年人事委員会勧告等の概要
・平成22年人事委員会勧告等の概要
・平成12年人事委員会勧告等の概要
【まとめ】都庁の住宅手当は高くない
最後に本記事をもう一度確認します。
本記事の要約
- 都庁公務員の住宅手当は月額15,000円
- 持ち家または35歳以上は支給されない
- 他の公務員よりも支給額は少ない
- 職員住宅は相場より安く住める
残念ながら、都庁公務員の住宅手当は公務員の中では高くはありません。
ただ、地域手当やボーナスが比較的高く、年収ベースだと他の公務員よりも高くなるので、トータルで考えるといいでしょう。
住宅手当には期待せず、もらえるだけラッキーくらいで考えるといいかもしれません。
今回は以上です。ありがとうございました。